こども01

すぐにできるとおもってる自分が

すぐになれるとおもってる理想が

案外すぐにはかなえられないことを

早く認めることだとおもう

駅のロータリーでうずくまって携帯を鳴らす大学生は

誰を求めて待ち続けてるのか

見上げたガラスの天井に映る様々な女でも

汗をかく男性でも 猫背の老婆でもないわたしは

誰でもあるのだろうな

通勤路すれ違う背筋の良い人に襟を正され

隣り合う電車内のワイシャツに酸素を奪われ

空は広いはずのビル街はあまりに狭く曇っている

風は冷たい

聴く音楽を否定されたときに

睫毛が抜けるような痛みがある

君も虹を見て感動するのだろうか

小さい頃、睫毛の虹という

詩集を読んでね それでさ

終わらない詩を書こう

日常のような

くだらない生活の中の写真

わたし以外の人間のわたし

誰でもなく誰でもある ひとりの